ねんね中のかびとメタさん。

続きからメタ（カビ？）ですよー

景色はもう赤く染まり、金木犀の香りが道端からあふれてくる。
背中の大荷物も今は静かになっていて、ときどきちいさく寝言を言うのが聞こえる。

さっきまでは「丘で遊んだ」だの「ちょっと転んじゃったー」だのときゃいきゃいと背中の上で口を弾ませていたのに、その本人は夢の世界に旅立っているようだ。

顔を横にずらすと、まるい顔を私の肩に器用に乗せて寝ているカービィの寝顔が目に入った。
思わず笑みがこぼれるくらい間抜けな顔で、こんな子が宇宙の平和を守っているなんて嘘のようだ。

この星は平和だ。
以前はこの平和に対して疑念を持ったこともあったが、今はこの平和こそが本当に大事なものなのだと感じられる。
「自分の好きな人と一緒に、ずっと笑いあえること」。どんなものを対価にしてでも、手に入れたいものになって、
いまそれは自分の手の中にすっぽりと収まってくれている。


へいわ、だ。