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2012/04/16 ついったーたのしすぎてぼくは
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突発でがりがりしただけなので、色々意味がわからないのは仕様。
十人のカビたんのお話。オチはない。

 
 
 
遠くから、私を呼ぶ声がする。
何度も何度もゆすぶられて、大声で呼ばれるけれど、
もう少し夢の布団にくるまっていたい……。
 
そんな心地よさを妨害するように、声はだんだんと脳まで浸透する…。
「…さん、姉さん! 起きてよ、大変なんだ!」
「…カーくん? …う、煩いわよぉ……ん?」
なんだかお腹のあたりが重くて、そういえばご飯はがっつり食べたからなぁとか、
私ももう年かしらやぁねぇとかそんなどうでもいいような事を考えていると、
不意にその重みがうごいた。
 
……? 胃もたれが、動く?
なんだかよく分らなくなってお腹に目を向けたら。
 
「……ぽよー」
 
 
……妹分がぐっすりと寝ていらっしゃいました。ガチで。
 
 
 
「とりあえず、自己紹介しましょ…私は」
そこまで言って詰まるポポ。当然だ、目の前の9人はすべて"カービィ"なのだから。
「こ、こほん。 …私は、ポポよ。 ポポ姉さんって呼ぶといいと思うわぁ」
「……ボクは、というか君たちもだろうけれど…カービィだよ。姉さんからはカーくんって呼ばれているけれど」
不本意だけどね、と小声で言った言葉は、運よくも姉であるポポには聞かれていなかったようだ。
「僕もカービィだよ! おにいちゃん達と一緒だねーっ!」
先ほど自己紹介した姉と弟はげっそりした顔をそちらに向ける。
その目線の先にあるのは、いまさっき自己紹介したばかりの……いつも自分達が水晶越しに見ている妹だった。
「つかぬ事を聞くけれど、君は他の人にビィって呼ばれていなかったかい?」
「えっ? 呼ばれていたけれど……お兄ちゃん凄いねー! なんでわかったの?」
きらきらした顔で問いかけてくる。
((……いえない。 毎日見ているからだよなんて……))
 
「あの…僕もカービィでビィなんだけど……お兄ちゃんとお姉ちゃん?」
「「え?」」
先ほどの―いつも見ている―ビィとはまた違う、もう少し大きくして制服を着せたような子が立っている。
「お兄ちゃんもお姉ちゃんも…ボクは君のお兄ちゃんじゃないと思「ひどい!」えっ!?」
わぁわぁと泣きだしてしまう大きな二女を慰める、いつもの二女。…なんてアンバランスな光景なんだろう。
次男はめまいがした。
「きっとあなたの世界にいる私たちは、貴方と血縁関係があったのね……なんて紛らわしい。」
ぼやくポポの裾を引っ張るものがいる。いつもの二女よりふたまわりほど小さい彼女らは、言葉は話せないようで、
ずっと身振り手振りで何かを伝えようとしている。
「…っカーくん! ちょっと翻訳お願い!!」
「よしよし…え? あ、えっと――二人ともカービィだって…………」
片方の桃色のフードをかぶった子供がきゃいきゃいとはしゃぐと、その横で臙脂のポンチョを羽織った子供がはにかむ。
よほどかまってもらえたのがうれしいのだろうか。ポポはグダグダになった頭を使ってそんな結論を出した。
 
「姉さん姉さん、ボクとしてはこっちの二人について詳細を希望するよ」
「……コンニチハ!」
「どうもー! どうもー!」
怪しすぎる二人組は、なるほどポポにそっくりである。
違いといえば、片方は金属でできていて、もう片方は全体的に色が薄い、ということであろうか……。
「メカポポデス! 彼女ノパーソナルパターンヲ元ニ「メカ黙りなさい」ニ作ラレマシタ…ハイ。」
「ちょっと私の事忘れないでくださいよー! 私は「バタモンはとっとと黙れ」……はい。」
「……姉さんが三人か…ちょっと面倒くさいn」
ピシッ、と空気が凍る音がして、カーくんは身震いをした。
先ほどは聞き逃してもらえたが、今度はそうもいかなかったらしい。
 
―しばらくお待ちください―
 
なぜか焦げ跡を作ったカーくんとは対照的に、非常にご機嫌なポポ。
実際その近くの8人はその二人から離れているのだが…何があったかはご想像にお任せしよう。
最年少組は制服姿の二女に抱きつき、ぶるぶると震えている……。
 
「…おい、自己紹介していいのか?」
「あれ、シャドーちゃん」
ビィがたかたかと走りよる相手は、この中で唯一灰色の髪の毛を持っていた。
「…シャドーだ」
「……なんだか仲間はずれねぇ」
うっ、と返答に詰まる彼を無視して、ポポはちらりと"最後のカービィ"を見る。
「で? 貴方は誰なの?」
ツインテールを揺らしながらくすくす笑う彼女は、先ほどの彼女たちとはどこか違う印象を受けた。
「さあね。 僕は特定の名前を持たないから、好きに呼ぶといいよ」
「…でもあなたもカービィなのでしょう?」
「さぁ? 僕はカービィと呼ばれたことはないと思うけれど」
 
また面倒なことになったなぁ、といつの間にやら復活したカーくんがつぶやくと、
そうでもないんじゃない?と返した。
「君たちは知っている子たちも、君たちの事は知らないだろう? これは技術を伝達させるいい機会だと思うけれど」
「……ちょっと、なんであんたそんな事を知っているのよ」
「さあね」
 
興味無いよ、とばっさり切り捨てて、地べたに座り込むと、なにやらわけのわからない歌を歌い始めた。

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