あぁ、貴方がいとおしい。
わたしの前には世界中から集められた沢山の珍しいものがあったけれど、
皮肉にも一番ほしいものには手が届かなかった。
私は鏡の国のお姫様。
虚像の女王。
虚像と踊り、虚像に謳う虚像の女王。
『力』はもういらない。
こんなもの、薄い鏡一枚隔てただけで私には届かないものになってしまう。
こんなにも薄い鏡に邪魔されてしまうの。
ああ、なんと酷い仕打ちなのかしら!
わたしが貴方に恋い焦がれ、涙を散らしている間にも、あなたは醜い鏡なぞには目もくれず。
あの可愛らしい少女と笑顔で戯れているのね。
わたしの思いは爆発しそうだというのに。

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